×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私に媚びを売るために君は猫撫で声を出す。
ずいぶんと半端な猫撫で声だ。
そんな声しか出ないなら、要らない。
だから私は君を捨てた。初めて猫を捨てた。
捨てた日のことは今でも覚えている。
後悔はしていないはずなのに、あの顔がどうしても頭から離れなくて、
化け猫が襲ってくるかなと思ったりもして、ちっとも眠れなかった。
化け猫は現れなかったけれど、
街路樹の根元や、
誰もいない公園や、
落ち葉だらけのどぶ、
更には私の鞄のポケットや、
コーヒーカップの底に、
あの日捨てた猫の残像を見ることになった。
あの半端な猫撫で声に何を期待していたというのだろう?
ただの猫だ、しかも汚い猫なのに。
自分の心の空洞が怖かった。
その空洞を猫で埋めようとした自分の軽薄さは、もっと怖かった。
猫の残像にずっと苦しめばいいと思った。

↑よろしければクリックお願い致します。
ずいぶんと半端な猫撫で声だ。
そんな声しか出ないなら、要らない。
だから私は君を捨てた。初めて猫を捨てた。
捨てた日のことは今でも覚えている。
後悔はしていないはずなのに、あの顔がどうしても頭から離れなくて、
化け猫が襲ってくるかなと思ったりもして、ちっとも眠れなかった。
化け猫は現れなかったけれど、
街路樹の根元や、
誰もいない公園や、
落ち葉だらけのどぶ、
更には私の鞄のポケットや、
コーヒーカップの底に、
あの日捨てた猫の残像を見ることになった。
あの半端な猫撫で声に何を期待していたというのだろう?
ただの猫だ、しかも汚い猫なのに。
自分の心の空洞が怖かった。
その空洞を猫で埋めようとした自分の軽薄さは、もっと怖かった。
猫の残像にずっと苦しめばいいと思った。

↑よろしければクリックお願い致します。
プロフィール
HN:
インドウハル
性別:
非公開
P R